メールマガジン「ゆいフレンズ通信」では、海外に関わる団体だからこそ日本ならではの四季に関連する風景をお届けしたいと考えてきました。
内藤賢二さんは、ゆいグローバルネットの理念に共感し、2023年3月号よりメルマガ「ゆいフレンズ通信」に素晴らしい写真を提供してくださっています。
内藤さんの写真がメルマガに登場して約1年を記念して、これまでの写真を「ゆいPhoto Album」としてまとめてご紹介したいと思います。
内藤さんは、山歩きや花めぐりの旅に出かけ、日本の自然風景を撮っておられます。
内藤さんの写真はブログでもご覧いただけます。
「ゆいPhoto Album」内藤さんの写真に寄せて、ゆいグローバルネットチームメンバーの吉田 明さんがコメントを寄せてくださいました。
絵画や文学といった芸術にふれるとき、私たちは作品そのものの持つ魅力や美しさに圧倒されます。一方でその奥に見え隠れする作り手を知り、ハッとしたり新たな視点を見つけたりもします。人は作品や制作者と静かに対話し、その交流をとおして自らを活性化しているのかもしれません。
海外で生活していると、ふと日本の景色を懐かしく思うことがあります。それは季節に関する瞬間が多い気がします。例えば、「花火といえば夏」と思っていたのに秋やお正月の花火を見たとき。あるいは、たくさんの春の花に桜の木を見つけたときに。
内藤賢二さんの写真には、そんな郷愁に「ほら、ここにいるよ」と小さく声をかけてもらえたような優しさがあります。そして花一輪一輪やはるか遠い空の色そのものを、どうやってとらえようという内藤さんの眼差しを感じます。私たちは、内藤さんの作品の向こうにかつて見た景色や記憶をたどり、ほっと息を整えることができるのです。
海外に暮らす多くの方に、内藤さんの写真が届きますように。
※書籍紹介
風景構成法は精神科医・中井久夫によって発案された描画技法で、治療者に提示された手順で患者(クライエント)が一枚の風景を描くというものです。
私がこの技法を用いるときには、作品から描き手を評価する手段としてだけではなく、どのようにその人と出会えるかを探るヒント、あるいは長いカウンセリング道中のお守りのように、描かれた一枚の風景をとらえています。
この本は、中井による発表から50年以上が経った今も、風景構成法をとおして研究や実践を重ねる臨床心理士たちが、あらためてその魅力と奥深さを綴った専門書です。私も章を一つ、担当しています。
(吉田 明 臨床心理士・公認心理師)
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