共同代表 大橋ひとみさんによるレポートです。
0歳・3歳の息子と共にフィリピン マニラでの夫の駐在に帯同し、その後インドネシア ジャカルタへも帯同した我が家の慣れない海外での子育てで、最も助けとなったのが、人との「つながり」の力でした。困ったときに助け合ったママ友、現地のことを気軽に質問できるドライバーさん・メイドさん・語学の先生等の現地の方々、現地での楽しい思い出はいつも彼らと共にあります。
コロナ禍において、対面でのコミュニケーションの機会が大きく制限されたわけですが、それでも海外に暮らす日本人の生活を支えたのは、やはり「つながり」の力だったようです。
インドネシア ジャカルタでは、アパート内の日本人同士SNSでグループを作り情報交換することで支え合いました。日本人会や日本人の母親コミュニティ(ジャカルタマザーズクラブ)はオンラインイベントを開催し、現地情報誌や医療機関はインターネットを用いて情報を発信し、現地に残る皆で助け合ってコロナ禍の困難を乗り越えようという雰囲気がありました。
厳しいロックダウンで一切の外出ができなかった上海でも、食材や生活必需品の購入はアパート単位等集団で行われ、そのためにSNSでのグループチャットが大きな役割を担いました。
ゆいグローバルネット チームメンバーの矢野桂子先生(2022)*による報告では、「日常的接点が少ないグルーブとも情報交換する必要性を感じ、余暇活動など“垣根を超えた交流”から得られた情報が役立った。コロナ後、上海在住日本人用情報交換チャットが自主的に組織され2,000人以上が登録された。(中略)緊急時・トラブル対処などは現地の方に協力してもらう必要があった。日頃から、マンション住人・管理人などともコミュニケーションを取れる状態にしておきたい。」とされています。
日本にいるときはあまり意識しないかもしれませんが、慣れない海外での生活やコロナ禍のような緊急事態を通して、誰かとつながり誰かと支え合うことの大きな力を感じました。世界各地には、現地在住邦人による様々なコミュニティがあります。新しい土地に赴く際には、ここにはどんなコミュニティがあるのかな?と探してみて、安心・安全な生活への備えにできると良いと思います。
コロナ禍の海外での生活で、どのように日本人同士が支え合ったか?は以下の記事にてまとめています。
文中で報告した厳しいロックダウン下での上海の様子は、他地域と共に以下に報告しました。
*マクロ・カウンセリング研究 第15巻56ページ~74ページ,2022
在外邦人のための包括的支援ネットワークの構築~現地の「声」を活かす「ゆいグローバルネット」の活動~
井上孝代/ジャカルタ報告:大橋ひとみ/上海報告:矢野桂子/香港報告:吉田明/シンガポール報告:吉国泰代/ヨルダン報告:嶋﨑惠子/サンディエゴ報告:長沼仁美 /総括:鈴木満
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